ステルスマーケティング(ステマ)

ステルスマーケティングStealth Marketingとは消費者に広告と明記せずに隠して行う宣伝手法のことで、略してステマと呼ばれています。Stealthとは秘密とか偽装を意味し、steal盗む、の方は良く知られていますが、発音が変わるせいか、日本では普段は習うことの少ない特殊な英語でした。似たような語形変化と発音の変化でheal/healthがあります。ヒーリングとヘルスが同じ語から変化したということはあまり知られていないと思います。ステルスが盗むと同じ語源と思えば理解はしやすいでしょう。ステルスが有名になったのはステルス戦闘機からかもしれません。
日本ではステマを規制する法律がほぼなく、具体的な被害が出て初めて対処するだけですが、欧米では消費者を欺く不公正な商法として、かなり厳しい規制があります。日本でも具体的な被害例が挙げられていますが、一番わかりやすいのがNHKの商品名の規制です。以前は「味の素」が不可で「化学調味料」とか「うま味調味料」と料理番組で言い換えてましたが、今はそのものを入れなくなったので自然消滅しました。有名なのが山口百恵の「プレイバックパートⅡ」で「真ポルシェ」がいけないというので「真っ赤なクルマ」と歌詞を変えて歌わせた例です。
ところが最近のテレビはステマだらけ、というより規制なしの放置状態になっています。以前は商品名の所にボカシが入っていたのが、今はまったくなしの状態です。中継番組でボカシができない場合はやむをえないのですが、実際は録画番組でもボカシが入っているのは犯人の顔くらいです。これはネットで顔認証により特定される可能性があるため個人情報保護のため、ということでありステマとはまったく無関係です。
NHKの料理番組でいうと、調味料など商品名がわかるものは予めボウルやガラス小鉢に入れておくなどの工夫がされていますが、「有名シェフ」の制服の店名の刺繡はそのままなので、どこの店だかわかります。ドラマでは今でも商品名を隠すため、わざわざラベルを製作したり、チラシやポスターも製作している場合が多いのですが、民放ではそれもしていない例が目立ちます。昔の刑事ドラマではスポンサー以外の自動車を使わないなどの工夫がありましたが、今は制限していないようです。ノートパソコンなどもメーカーのエンブレムがあるのでメーカーがわかるのですが、とくに規制がないみたいです。放送局側は「敢えて隠しているわけではないからステマではない」という見解かもしれませんが、意図のあるなしではなく視聴者がいつのまにか刷り込まれてしまうという心理効果が問題なのです。そのステルス性についての議論がまったくされなくなったということはステマが溢れているということでもあり何らかの規制が必要だと思われます。最近は食べ歩きのバラエティやニュース番組が増えていますが、店名を隠している例はまずなく、事前に出演交渉済ですから、いわゆるヤラセと同じことです。番組宣伝も「お知らせ」とか「ご案内」と名前を変えただけで実際はステマです。日本ではCMに有名俳優が出ますが海外ではまずありません。広告塔の意味があるからです。日本独特(世界の非常識)といえます。

ステマ