納豆

7月10日は予想通り納豆の日です。昔、日本史の年号を覚えるのに平城遷都を「納豆食べておならする」というのを今でも覚えています。歴史といえば年号覚えみたいな感覚があって、何の意味があるのかわからないままテストのために覚えていました。今から見ると西暦で覚えると時間的経過が分かりやすいので、そういう感覚が浸透したのだと思いますが、歴史とは時間的な経過だけが問題ではないので、もっと中身をきちんと学習すべきだったと大人になって考えるようになりました。元号は確かに覚えるのには面倒ですが、ちゃんと意味があり、すべてを天皇に結び付けて否定してきた戦後の歴史観もそろそろ別の価値観があってよい、それが多様性ということだ、と思うようになりました。西暦にも元号にもそれぞれに意味があるわけです。

納豆は近年、健康食品ということでブームが何度も起き、比較的単価が安いこともあって多くの人が食べるようになりました。関西では昔は納豆を食べなかったという伝説もありましたが、今では大阪でも食べる人が増えているようで、昔は大阪のホテルの朝食に納豆がでてくることはなかったのですが、今はほぼ出てくるようになりました。納豆の食べ方にも地域性があり、醤油と辛子というのが一般的のようですが、砂糖を入れる地域、ワサビを入れる地域もあります。納豆は大豆を発酵させたもので、甘納豆はいろいろな豆だけでなく、栗やさつまいもなどを砂糖漬けにしたものの総称のようです。栗納豆、芋納豆のように区別することもあります。
塩納豆というのもあり、山形庄内地方の食品で、納豆に塩麹と細切昆布を混ぜたものですが、栄養価も高く、納豆好きにはお勧めです。
納豆はナットウという音で覚えていることが多く、漢字にはあまり興味がない人もいるかもしれませんが、語源としては、昔の寺の事務所を納所(なっしょ)で甕(かめ)や桶や壺に入れて大豆を保管したことにあるそうです。納豆菌は空中にもいるので、大豆を茹でて保管しておけばほぼ納豆になります。稲藁に多く納豆菌がいるので藁にくるむことが多いです。納豆菌は腐敗菌よりも強いので腐ることはあまりありません。納という字は呉音でナフと発音されたものがノウあるいはナッと訛ったものと考えられています。日本に多い和製漢語で、日本は昔から外国語を組み合わせて和製にすることが得意だったようです。当時の納豆は現在、寺納豆あるいは浜納豆といわれる、糸を引かないタイプのもので、大豆に小麦と麹菌を一緒に塩水に漬け込んで熟成させ、乾燥させたものだそうです。京都の大徳寺納豆がこのタイプで有名です。大徳寺納豆はあの一休さんが伝えたということです。それで大徳寺門前の一久というお店が商標登録をしています。塩味が強いので、酒のおつまみにしたり、梅干しや塩昆布の代わりにお茶漬けの友にしたりします。匂いが嫌いという人も多く、においの少ないタイプや乾燥して食べる商品もあります。納豆といえば水戸というのが関東の定番で、水戸黄門の絵と一緒になっていますが、実際に水戸で納豆が多く生産されるようになったのは明治時代で、笹沼清左右衛門という人が納豆を水戸の名物にしようと製造に乗り出したのがきっかけでした。それが広がったのは明治20年代に鉄道が敷設されてからで、最初は水戸駅前の広場で売られていたのが、おみやげとして売られるようになって人気が出たということです。今の名物の多くも鉄道と関係が深いです。

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