御用納め

今週に御用納めの方も多いと思います。会社勤めの方が多いので、なんとなく御用納めから年末年始休暇に入るのが当たり前のような感覚になりますが、実際にはお店をやっている方は年末年始の方が忙しいです。人が休んでいる時こそ稼ぎ時という商売は結構多いものです。

欧米は27日から勤め始めです。26日までがクリスマス休暇で休みです。国にもよりますが、クリスマス中は休む商店がほとんどです。そのため旅行者や独身は生活にも困るくらいです。留学生などは帰省する友人の家庭に招かれて一緒にクリスマスを過ごすことも多いです。そもそも休日holidayは別名安息日といい、休むというよりも仕事をしてはいけない日であり、ひたすら神への感謝をする日なので、戒律の厳しい宗派のキリスト教やユダヤ教では毎週の安息日には家事すらしません。イスラエルにはシャバト・エレベータといい、シャバト(安息日)には各階に自動的に止まりドアが自動開閉するエレベータがあるくらいです。エレベータのボタンを押すことも仕事と考えられているからです。エレベータ操作は専門の男性か女性がいるからです。日本でも昔のデパートにはエレベータ・ガールがいました。ユダヤ教徒には12月にはハナカという別の最大の祭がありますが、キリスト教徒にとってクリスマスとイースターが最大の祭ですから、普段はあまり敬虔ではない人も家族が集まって、みんなの無事を感謝したり、世界平和を祈ったりします。

世界的な視野で眺めると、25日以前は休暇で仕事をしない欧米人とその期間は暮れで忙しく働いている日本人を含めたアジア人がいて、25日以降から休みに入るアジア人に対して、年末で忙しく働く欧米人がいる、というおもしろい現象になります。アジアは基本的に正月休みが多いのですが、ほぼ完全に西洋歴に合わせている日本のような国と旧暦といわれる太陰暦で生活している国があります。そこでは正月も旧暦です。かつてベトナム戦争の頃、アメリカ軍はクリスマス停戦、ベトナム軍はテト(旧暦正月)で停戦であり、結果的に1カ月以上の停戦期間が出来上がり、それが永久的な停戦へとつながっていったという歴史があります。当初は相手が休んでいる時こそ攻撃のチャンス、という考えでしたが、戦争も長くなってくると、互いに停戦を求めるようになり、祭がその機会になります。争いごとも相手の文化を理解しあうようになると、自然に収まるようになります。勝ち負けにこだわりすぎると戦争が長引きます。英仏戦争のように文化も習慣も似ていると百年も続くことになります。

さて題の御用納めですが語源は官庁用語です。江戸時代から御用というのは役所の仕事のことです。日本は役所の休みに民間が合わせるという官尊民卑が今も続いています。

御用納め