こんにゃく

5月29日は語呂合わせでこんにゃくの日です。蒟蒻と漢字で書くと読める人は少ないでしょうね。蒟蒻は蒟蒻芋を原料としていることを知っている人は意外に少なく、テレビのクイズ番組でよく出題されるほどです。そして蒟蒻芋の栽培になるともっと知られていません。春に種芋を植えてから11月に収穫するのですが、まだ小さいので、この植え付けと生育を2年繰り返して3年目にようやく収穫ということになります。中にはさらに生育を繰り返した5年物、7年物などもあるそうです。群馬県が蒟蒻栽培で有名ですが、北限は山形であまり寒いと育ちません。それは原産国がインドシナ半島ということに関係があります。そのままでは食用にならず灰汁(あく)につけてマンナンという成分を凝固させます。昔はすりおろしたものを使っていましたが、江戸時代中期に中島藤右衛門という常陸の国の人が粉蒟蒻による製法を開発、年中食べられるようになり蒟蒻の普及に貢献しました。東南アジアでは蒟蒻を食べる人々がいますから、とくに日本食というわけではないのですが、日本でマンナンが多くなる栽培法を開発し普及したため、日本食のような感じがしているのです。日本への伝来は縄文時代だそうで、中国の唐の時代には四川省や湖北省あたりで蒟蒻芋が栽培されていたとのことですから、奈良時代には貴族などが薬品として食べていたらしいです。鎌倉・室町時代には精進料理として工夫され、今のおでんのような食べ方があったそうです。蒟蒻は芋食品ですが、低カロリーのため、ダイエット食品として世界中に広がりました。CMのせいもあってマンナンという言葉を知らない人はいないと思います。英語では日本語からの借用でkonnyaku,konjakといいます。ただしンとナ行を分離してコン・ニャクと発音できるのは日本語だけなので、英語で発音するとコニャクとなります。蒟蒻という植物は英語では悪魔の舌devil’s tongueというのですが、これは花の形が異様な色と形をしているからですが、恐らく日本人もアメリカ人も見たことはないでしょう。辞書には「悪魔の舌を粉にしてペーストまたはジェリーのような食べ物」という解説があるので、蒟蒻を見た外国人は気持ち悪いと思ったことでしょう。しかし最近ではmiracle noodleとしてダイエット用健康食として売られているようです。英米文化での食品名の英語は自分たちが元来食べないものには酷い名前がついています。Devilfishは通常マンタというエイのことですが、タコやイカも含まれていました。それで今ではsushiの影響でtako,ikaといいます。ウニもuniですがsea urchinと呼ばれていました。「海のハリネズミ」です。「海の栗」sea chestnut の方がマシです。海藻は全部sea weedなのでノリも「海の雑草」。昔、寿司は「奇妙な食べ物を生で食う」イメージでした。今では日本食の代表ですから大違いです。
よく糸コンニャクとシラタキの違いが話題になりますが製造法の違いです。糸こんにゃくは、蒟蒻芋を粉にしてから石灰乳と混ぜて固めた後に細く切ります。シラタキは蒟蒻芋が固まっていない状態で糸状にしてから固めます。要は一旦蒟蒻にしてから切ったか、最初から糸状にして固めたかの違いです。色の違いでもなく、同じでもないです。
京都の祇園近くの八坂庚申堂(金剛寺)では60日に一度の庚申の日と1月6日、7日、5月3日にこんにゃく焚きが行われ、病気祈願のために行われます。昔、浄蔵貴所が父の病気祈願でこんにゃくを捧げたところ治ったことが由来だそうです。その関係で庚申の日にこんにゃく焚きをする寺院が全国にあります。大阪の四天王寺では庚申の日に『北向きコンニャク』という風習があり、こんにゃくを北向きで食べると頭痛が治るという言い伝えがあります。蒟蒻は三角にしておでんに入れるのが広がっていますが、山形名物は玉こんにゃくです。また切れ目を入れてねじったねじりこんにゃくとか、鷹の爪入れて炒めたかみなりこんにゃくとレパートリーも広い食品です。

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