ラッキーゾーン

1947年5月26日甲子園球場にラッキーゾーンが日本で初めて設置されました。それを記念してこの日はラッキーゾーンの日だそうです。野球ではホームランが注目されるので、ホームランを出やすくしてプロ野球の人気を集めようという目的だったそうです。外野フィールドが広すぎてホームランが出にくいとの理由からラッキーゾーンが設置されました。
野球に限らずプロスポーツではルール変更がたびたび行われますが、球場そのものにまで変更を加えるのはそう多くないと思います。その後1991年12月5日に甲子園球場のラッキーゾーンは撤去されました。明治神宮野球場や阪急西宮球場など他の球場でもラッキーゾーンが設置されましたが、だんだん選手の体格がよくなり、またバットやボールの品質改良によってホームランの本数が増加したため、ほとんどの球場で撤去されました。金属バットの登場は飛距離を飛躍的に伸ばしたため、反対に木製のバットに制限しているほどです。実は、本場アメリカの野球場は広大な外野フィールドを持つ球場が多く、ラッキーゾーンに相当するフェンスの位置変更は頻繁に行われています。
ラッキーゾーンという語は和製英語であり英語には相当する単語はありません。何がラッキーなのか英語的には理解できないです。野球用語にはこの手の和製英語がとても多く、ホームランをホーマーと言ったり、ナイトゲームをナイターというのは、日本人がやたらerをつけたがることからくるのかもしれません。ヒットエンドランはhit and runですが、なぜかアンドではなくエンドといいます。最近はアメリカのメジャーリーグのニュースもあるので、たまに中継が入ることがあります。その時にアメリカの野球用語が聞こえてくることがあります。結構違いがあり、たとえば打順の1番はリードオフ(lead off)、4番がクリーンアップ(clean up)、6番がスイーパー(sweeper)ですが、日本でクリ―ナップというと3,4,5番を指すのではないでしょうか。リードオフとスイーパーは聞いたことがないです。1塁手はfirst basemanでマンがつきます。右翼手はright fielderです。投手の先発はstarter、救援はrelief pitcher中継ぎはreliever抑えはcloserといいます。和製ではリリーフはよく使っています。投手の球種はほとんど英語と同じですが、ストレートはfast ballです。フォークボールはforkのみでballはありません。ナックルはknuckle ballでballがつきます。スローボールはeephus pitch イーファス・ピッチといいます。イーファス・ピッチは山なりのスローボールのことらしく、そもそもeephusという英語も存在しないので、ホニャララのような意味のない単語のようです。キャッチボールと日本ではいいますが、英語ではplay catchです。「キャッチボールしないか」はLet’s play catch.です。

アメリカの野球では7回の表が終わるとみんなで歌を歌うことになっています。その歌は「私を野球に連れて行って」Take Me Out to the Ball Game.です。イントロから始まる結構長い歌ですが、たいていはサビだけ一緒に歌います。Take me out to the ball game, Take me out with the crowd; Buy me some peanuts and Cracker Jack, I don’t care if I never get back.(私を野球に連れてって、観客席へ連れてって、ピーナッツとクラッカージャックも買ってね、家に帰れなくったってかまわない)という内容です。クラッカージャックは固有名詞で糖蜜でコーティングしたポップコーンの中にピーナッツが混ぜてあるスナック菓子です。グリコのおまけのようにおまけがついてきます。映画『ティファニーで朝食を』にはクラッカー・ジャックのおまけの指輪にティファニーで名前を彫らせるシーンがあるそうです。アメリカ人はピーナッツとポップコーンが大好きです。日本では野球というとビールでしょう。そして7回にはチームの歌でしょう。「六甲おろし」に燃えるタイガースファンを始め贔屓のチームの歌になるのも日本的です。

球場