クリスマス・ツリー

最近はクリスマス・ツリーを飾る家庭も少なくなってきているようです。理由は日本の住宅には飾るスペースがないからで、小さい子供のいる家庭でプラスチック製のミニチュアを置く程度だと思います。そしてクリスマスが済んだら捨てるか、すぐに片づけているようです。

欧米では今でも大きなクリスマス・ツリーを飾り、オーナメンツと呼ばれるきれいな飾りつけをするのが12月の楽しみな行事となっています。このツリーの周りにクリスマスプレゼントの箱を並べておくわけです。ツリーはモミの木で、12月に入ると植木屋やガーデニングの店だけでなくスーパーやガソリンスタンドなどでも、いろいろなサイズのツリーを売っています。プラスチック製もありますが、ほとんどは生の木を買います。

このモミの木、明らかに寒い地域の針葉樹です。南欧では本来ないものですし、イエスキリストの生誕地エルサレム地方にはありませんから、主としてドイツ地方の習慣であり、今でもドイツ各都市ではクリスマスショップが盛んなので、ここから広がっていったと思われます。さらに北欧ではツリーを飾ることは少なく、町中にハートマークの飾り付けが溢れます。日本でクリスマス・ツリーが流行ったのもアメリカの影響と思われます。モミの木はありますが、それほど多くないので、生の木を飾る家は少ないようです。アメリカでは山間部に行くとモミの木畑と呼ぶのがふさわしいモミの木が一面に植えてある場所があり、それぞれ小さいものから大きなものまで同じ背丈の木が植えられています。これを切って都会で売るわけです。そして切った後は植林しています。

欧米でモミの木のツリーを飾った家は普通枯れるまで家に飾っています。理由はモミの木の香りがよく、体に良いと信じられており、とがった葉が魔除けになると信じられていることにあります。モミの木の葉はすぐに乾燥しパラパラを落ちてきます。1カ月持たせるには水揚げが大切で、手慣れた人は木を買う時に新鮮なものを選び、1週間ほどバケツの水で水揚げをして、1日ほど逆さにして末端まで水分が行かせておいてから、飾りつけをするという手の込んだ方法をしています。それでも正月過ぎにはパラパラを落ちてきますから、プレゼントが置いてあった場所は落ち葉だらけになります。せっせと掃除する家もあれば、隅に寄せて置いておく家もあります。本物の暖炉がある家では葉を燃やすと香りが出るので、それを楽しむ家もあります。枯れた幹も薪になります。だから環境にいい、ということにはならないと私は思います。というのは最近の考え方では木は二酸化炭素を吸って成長するので、木のままにしておくことが炭素の固定化になり、燃やすのと二酸化炭素が発生するので、できるだけ燃やさず木材として使うのがSDGsに役立つというわけです。それで近年木造建築が増加しています。

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