春土用戌の日

旧暦弥生27日は春土用の戌の日です。夏土用の丑の日に鰻を食べるということは有名ですが、なぜなのかを知っている人は少ないです。まず土用が年4回、季節の変わり目にあることは以前説明しました。その土用の中で、春土用は戌の日、夏土用は丑の日、秋土用は辰の日、冬土用は未の日に特定の色の食べ物を食べるとよい、とされています。色の話を先にしますと、青春、朱夏、白秋、玄冬をごぞんじでしょうか。青春は有名で、白秋は詩人として有名なのですが、実は季節と色と動物がセットになっています。動物は青龍、朱雀、白虎、玄武で龍と鳥と虎と亀です。これを四神と呼びます。これらにさらに方位が加わり、四神は青龍が東、朱雀が南、白虎が西、玄武が北を守護しています。干支はさらに時間にも割り当てられており、子が0時ないし24時、午が12時です。それで昼の12時前が午前、12時後が午後となるわけです。また十二支は月にも割り当てられており、1月は寅から始まります。子ではないことに注意してください。すると弥生3月は辰、水無月6月が未 長月9月が戌、師走12月が丑になります。陰陽五行説では正反対のことを相克といい、対立や矛盾を意味し、互いに相手に勝つ関係にあることで、木は土に,土は水に,水は火に,火は金に,金は木にそれぞれ勝つとされています。そこで各土用で体調に気をつけなければならない時には相克の物を食べることで陰と陽を打ち消す必要があると考えます。春の土用では弥生の辰の相克は長月の戌、同様に夏の土用は未の相克の丑の日、秋の土用は辰の日、冬の土用は未の日が決まります。これで春はいのつく食べ物、夏はうのつく食べ物、秋はたのつく食べ物、冬はひのつく食べ物という謎が解けます。文章だとわかりにくいのですが、検索して干支図を見てください。時計の文字盤のようになっていて意味がすぐにわかります。こういう時はアナログの方がわかりやすいです。次に色ですが、これも相克なので、春は白、夏は黒(玄)、秋は青、冬は赤(朱)ということがわかります。相克を組み合わせると春は白くてイのつく食べ物となります。白くてイのつくものとしてイカが一番多いのですが、実は鰻は冬の方がおいしいのと同様、イカも夏の方が旬です。無理してイカを食べなくても、白いものならたくさんあります。豆腐やごはん、うどん、パン、餅などの炭水化物、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、大根、かぶ、もやし、白菜、たまねぎなどの野菜もあります。リンゴも皮をむけば白いです。じゃがいも、さといもなどの根菜類も白いです。シラスは文字通り白いですが、タラ、タイなど白身の魚もいろいろあります。デザートにはホワイトチョコやバニラアイス、白玉、雪見大福などがあります。さらにかまぼこや肉まん・あんまん、ゆでたまごなども白い食べ物です。イのつくものはインドカレー、いなり寿司、いぶりがっこ、芋煮、炒り卵、いくら丼、石狩鍋、いたわさ(しかも白い!)、出雲蕎麦、稲庭うどん(これも白い!)、石焼芋、石焼ビビンバなど、デザートにはいちじく、いちご、いよかんなど。魚ならイセエビ、イワシ、イシダイ、イナダ、イワガキ、岩ノリなどもう豊富です。変則的ですが焼肉のイチボとか、イベリコ豚の生ハムなどもおいしいです。意外にたくさん選択肢がありますので、お好きなものを。
この日は哲学の日でもあります。普段馴染みのない分野ですが、白いものを食べながら、たまにはデカルトとかカントとか西田とか読んでみるのも頭の栄養になり、土用の過ごし方としてはよいと思います。

ヨーグルト