マルコーニと著作権

4月23日は国際マルコーニデイでかつ国際図書・著作権デイです。一見関係なさそうに見えますが、今日の情報化時代では深い関係がでてきました。マルコーニの名前は工学系の人は誰でも知っていますが、文系の人は知らないかもしれません。無線技術を高めた人で、1885年4月23日に、自宅の窓からモールス信号で2.4kmの無線通信に成功したことが世界初の無線通信だったことを記念して国際マルコーニデイが制定されました。今日の家電で無線を使っていないものはほとんどがない位ですし、スマートフォンやテレビなどの公共電波やリモコンなど身近に通信技術が使われています。一般の人々にとって、目に見えない電波がどうして作用しているのか不思議ですね。電波通信技術はマルコーニが発明したのではなく、すでにヘルツ、テスラなど今は別の分野で名前が知られている人々の発明をうまく組み合わせて性能を高めて行ったいわば実験家というのが正しい評価かもしれません。実際、現代の科学技術も一人の発明は少なく、いろいろな発明や技術を組み合わせて高度化したものです。マルコーニも多くの技術の特許をもった反面、数多くの特許争いに巻き込まれています。特許というのは特定の技術に対して国家が知的財産権を保証するものですが、一方で軍事技術のように国家が秘匿し公開しない場合もあるので、政治や外交とも絡み複雑な関係になります。

著作権はその名の通り本の出版に関する権利で、ユネスコが1995年「読書・出版・著作権(知的財産権)保護の促進」に関する国際デイを定めました。「書籍とその作者たちに敬意を表する」記念日で「読書の楽しみを特に若い人々に伝えるとともに、人類の文化的・社会的進歩に果たした人々のかげかえのない貢献への敬意を新たにすること」が目的とされています。この目的で見る限り当時は印刷による図書が想定されていたのですが、近年、電子技術の発達により、電子書籍や書類の電子的複製が容易になったことで、著作権と知的財産権の境界が曖昧になってきました。すでにラジオやテレビなどの電波媒体による作品があり、音楽の著作権の問題もあったのですが、インターネットという媒体が出現したことで、通信媒体による作品の問題が加わってきました。そうした事情もあって日本の著作権法もたびたび改正されてきました。令和3年にも改正が行われ令和4年から実施されていますのでご注意ください。実際に利用される場合には必ずご自分で最新のものを確認してください。令和3年改正では図書館関係の権利制限規定の見直しと放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化が中心となっています。図書館では従来、来館しての閲覧が中心でしたが、コロナ禍でのニーズのこともあり、通信での利用がしやすくなりました。一方で勝手に拡散するリスクもあるので、その手続きや手段が厳密化されます。放送番組のインターネット同時配信についてはこれまで様々なハードルがありました。たとえばテレビ番組も映像の著作物として保護されます。テレビ番組を無断で公衆に放送することは著作権侵害になります。しかしサブスクリプションサービス等で同時配信する場合にも著作権者の許諾が必要なのが原則です。そこで放送事業者が同時配信をしやすくする法改正がなされました。NHKplusやTVerが同時配信できるようになったのはそのためです。
電波通信と著作権法が直接に関わってきた例です。

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