ホワイトデー

3月14日はホワイトデーで男性には恐怖の日です。いつのまにか、もらったバレンタインギフトの倍返しの習慣になったそうで、それで義理チョコ廃止みたいな方向になったのでしょうね。ホワイトデーは商業主義がベースで、起源については諸説あります。そもそもはバレンタインのお返しに1か月後にマシュマロをお返しにどうですか、という菓子屋の発案だそうで、マシュマロデーにしたのをデパートがマシュマロのイメージからホワイトデーにしたという説があります。その数年後に全国飴菓子工業協同組合の幹部が集まってキャンディの販売促進のためにホワイトデーに便乗したという説もあります。組合は一応、起源として聖バレンタイン神父によって救われた男女が愛を誓ったのが3月14日だったという伝説からきたと説明しています。

ホワイトデーは日本独自の記念日で贈り物をもらったら返礼するという文化が背景にあります。似たような文化がある韓国や台湾にも今では浸透してきているようです。そもそもバレンタインにチョコレートを贈るという風習も日本独自で、以前のコラムにも書いたように、欧米でもクッキーやいろいろなお菓子を贈ることはあります。

近年、バレンタインデーに自分用チョコを買った女性はどうするのでしょうね。やはりホワイトデーには自分用に高級キャンディを買うのでしょうか。

返礼文化は日本に強く定着している文化で、「すみません」という表現も「このままでは済ませません」という意味の感謝または謝罪のことばです。後ほどきちんとしたお礼なりお詫びをいたします、ということを表現しているわけですが、外国人からすると感謝と謝罪が同じというのは何とも理解できないようです。感謝の簡略表現である「どうも」も「どうにも」から来ており、意味は曖昧で、挨拶であったり、不満であったり、理由や原因、根拠が曖昧な意味もあり、感謝が深い意味であったりして、文脈への依存が大きい表現です。それだけに外国人が正確に使うことが難しい一方で、言いやすく意味が広いので万能語として覚えるようです。文脈に依存するため抑揚による変化が多く、言い方を変えると逆の意味になることもあります。似たような表現に「けっこう」というのもあります。こうした曖昧表現が広く使われる背景には日本文化ではコミュニケーションにおいて、はっきりものを言うのではなく、空気を読んで言うことがあります。この空気を読むことが贈答にも表れていて、普通はいただきものをすると返礼しますが、半額か倍額か状況に応じて変わります。また賄賂のような場合では、品物でお返しするのではなく「見返り」として地位、情報、便宜が供与されることもあります。さらに複雑なのが義理チョコのようにやむを得ず贈ることもあり、これが外国人は理解できない風習です。そもそも義理という感覚がよく理解できません。それに対してお返しすることも義理だ礼儀だというのも理解不能で、恩だのそのお返しだのといわれても当惑するだけです。ただ誤解のないようにしていただきたいのは欧米には返礼という習慣がないわけではないのです。パーティに招待されたら返礼のパーティに招待します。ただ物のやり取りではないことが要点です。たとえば引っ越しをすると、日本ではご挨拶に粗品を配りますが、それに返礼することはまずないです。欧米の引っ越しでは近所の人が物を持ってやってきて挨拶をします。これをmoving showerというのですが、引っ越してきたばかりだと何かと不便でしょう、ということで簡単な食事とか身の回りの物を贈ってくれますがそれに返礼することはありません。こういう感覚は文化なのでなかなか習慣に慣れません。