旧正月

今年は新暦2月1日が旧暦元日になります。元日は朔日(ついたち)でもあります。毎月の始めの日が朔日で、ツイタチは月立ちが転化したものです。朔日から新たな月が始まるのですが、この夜の月が新月つまり完全に月が見えない日です。月は太陽の光を反射して輝くということは理科の時間に習ったと思います。月の満ち欠けは月が地球の影に入り太陽光を反射しないために起こります。三日月の黒い部分は地球の形なのです。そう思って見ると不思議な気持ちがしませんか?新月は月が地球の影に完全に入る日ということになります。この日から月がだんだん大きくなっていくので新月と呼びます。だんだん満ちていくので縁起もいいといえます。ただ実際に月がはっきり見えてくるのは三日月あたりからなので、大昔は三日月を新月と呼び、朔日の月は暗月と呼んだそうです。

毎月の朔日に神社にお参りする朔日詣りという習慣が残っている地方もかなりあります。それに合わせて神社で餅などを配る習慣もあります。有名になったのが伊勢神宮の赤福の朔日餅で、実際には餅でなく毎月特別な菓子が販売されるのですが、これを求めて深夜から行列ができテレビ報道でより過熱化しました。特別な品を求めるのもよいですが、本来の朔日詣りの精神を忘れないでいてほしいものです。

旧正月は都会ではもう絶滅していますが、地方にはまだ残っています。そういう地方は伝統的な習慣も残っていて、そういう風習を楽しむ余裕ももちたいものです。今年は無理ですが、時折観光を兼ねて地方の旧正月を楽しむのもよいと思います。日本で比較的旧正月の風習が残っているのは、奄美地方、沖縄地方のようです。五穀豊穣や豊漁を祈願し綱引きをする地方もあるそうです。

旧正月はむしろ中国や台湾、ベトナム、モンゴルなど中華暦を使用した中華文化圏の国での春節が知られています。春節は日本と1日違うこともあります。それは時差があって、月齢が異なるためです。2022年は同じ2月1日だそうです。春節は連休になり、帰省や観光で大移動があります。お土産を買い込んだり、帰省先で大家族が集まって宴会をするので、欧米のクリスマスと同じく、経済活動が大きくなります。宴会の食事は地域によって異なりますが、中国北部では餃子が出る地域も多いそうです。日本の餃子は焼き餃子が中心ですが、中国では水餃子が普通です。餃子は昔の貨幣の形に似ているので、縁起のよい食べ物だそうです。春巻も正月料理で、春節だから春巻なのです。餅もあり年糕(ニエンガオ)というそうですが、揚げたり蒸したりした甘いお菓子のようなものらしいです。食べ物は日本の「喜ぶ」のコブやマメマメしくの豆などの語呂合わせと同じで、縁起物には語呂合わせがあるそうです。語呂合わせは日本だけではないのですね。縁起物を食べて幸福を願うのは万国共通で、それが正月という年の始めに強く残っています。

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