新宗教

11月19日は旧暦神無月二十六日です。天保九年(1838)のこの日、天理教が開教しています。天理教はいわゆる教派神道(宗派神道)の1つで、江戸時代から明治時代にかけて起こった新宗教の1つです。Wikipediaの解説によれば、教派神道とは「江戸時代までの伊勢神宮・出雲大社・浅間神社(富士山)の講組織や、江戸時代から明治時代に起こった新宗教も含め、明治時代に神道を宣教する教派として段階的に公認されていった総計14の神道系教団のこと」だそうです。新宗教と似たような表現に新興宗教という表現もありますが、これは伝統宗教との対比で使われる表現なので、時期も内容も曖昧です。鎌倉時代に起きた宗派も既に長い年月が経っていますが、伝統宗派から見ると新興宗教となります。たとえば西洋のカトリックもヨーロッパからすると伝統宗教でプロテスタントが新興宗教となりますが、アフリカではアニミズムの宗教が先にあったので、それが伝統宗教で、カトリックは新興宗教ということになります。日本の場合は仏教の伝来以前にも宗教があり、その後各時代にいろいろな宗教が起きましたから、それぞれの立場から新興宗教ないし新宗教の分類が異なります。
戦前日本の宗教団体法で公認された宗教は、神道、仏教、キリスト教の三教のみであり、非公認の宗教団体は、行政上「類似宗教」と呼ばれていました。また日本の宗教学は近現代に誕生した宗教を指す価値中立的な用語として新宗教を用いているそうです。幕末・明治維新以降に成立した宗教のうち、既成の宗教組織を継承していないもの、また新たな教義を掲げて伝統宗教から自立したものを新宗教と呼ぶという判断基準だそうです。その後の明治から大正にかけて新宗教の勢力は小規模なもので、現在も残る大教団は1930年に創価学会と霊友会、1938年に立正佼成会が創立され、戦後に急成長を遂げました。1970年代以降に台頭してきた宗教を新新宗教と呼ぶ学者もいて、幸福の科学、旧統一協会、オウム真理教などが急速に拡大しました。新新宗教については研究者によって意見が分かれ何をもって新しいとするかの具体的基準も明確に定まってはいない状態です。現代は宗教嫌いというか特定の宗派に所属することを嫌う人々が増え、無宗教を標榜する人が圧倒的になってきました。一方で、年末年始の参詣や祭り、葬儀など宗教行事への参加は続いており、御朱印ブームやおみくじブーム、テレビの星占いなど宗教類似行為は浸透しています。諸外国では宗教と民族がセットになっていて戦争になっていることも多い中、日本では共存共栄というのか、激しい争いというのはあまり見られません。政治と宗教の絡みが最近の話題ですが、定義も曖昧なまま国会で論議するという外国には見られない風景も日本文化なのかもしれません。

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