シマクトゥバの日

9月18日は沖縄県が平成18年に「しまくとぅばの日に関する条例」により制定しました。方言に関する記念日が条例により定められるのはこれが初めてだそうです。今年は沖縄返還50周年でNHKの朝ドラも沖縄が舞台になっていましたが評判はよくないようです。シマクトゥバというのは島言葉のことで沖縄方言を意味します。すぐ近くの奄美では島口(しまぐち)というので、文化圏としても違うことがわかります。なぜか沖縄方言についてテレビのバラエティなどでは「よくわからない言葉」として津軽方言と一緒におもしろがられるネタにされています。方言は言語学的には3つに分類され、地域方言と個人方言と社会方言があり、いわゆる〇〇弁といわれているものが地域方言で言語学では地域変種と呼ぶのが普通です。社会方言にはいろいろあり、幼児語、男性語、女性語、若者言葉、最近のギャル語やバイト敬語、昔の女房言葉や
廓詞(くるわことば)、やや特殊なオネエ言葉や老人言葉、オジサン語、オバサン語など数多くの「言語変種」があります。個人方言としては芸能人などの独特な表現、たとえばタモリ語、のりピー語がありましたが、今も作られています。地域変種も時代によって変遷していきます。島言葉も昔と今では変化しています。
沖縄方言あるいは琉球語が日本語の方言であるということは一定の音韻変化規則があるからです。一般法則として沖縄語の母音はアイウイウで、エがイにオがウに変化します。コトバkotobaがkutubaに変化したわけです。そして代表的な子音変化としてkがchに替わります。Okinawaがuchinaaになりウチナーとなったわけです。無論例外がありますが、この基本則を知っておくと沖縄方言は概ね共通語に変換でき理解できます。有名になったサーターアンダギも砂糖脂揚げが変化したもので、アンダは豚の背脂のことだそうです。Satou+anda+ageが変化したのです。メンソーレは古語のマヒリサブラヘ(参り候ラヘ)が変化したものです。「ちむどんどん」のチムは肝kimoが規則通りに変化したもので肝が転じて心の意味になりました。共通語も「肝が太い」とか「肝が冷える」などの表現があり、必ずしも心臓が心を表しているとは限りません。方言はこうした音韻変化に加えて音調変化いわゆるイントネーションの変化もあります。関西方言は関東方言と語彙の音韻は同じでもイントーションが違っていて、聞くとすぐに関西弁だとすぐわかります。沖縄方言もイントネーションが変化しているので役者さんたちは方言のドラマでは苦労されています。語彙は割と簡単にセリフとして覚えられるのですが、イントネーションは学習がむずかしいのです。実はこのイントネーション学習は外国語でも同じことが言えるのです。地元民が他所の人の方言の真似に違和感を感じることの正体はイントネーションの違いです。

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