北斗星君と道教

旧暦八月三日は北斗星君聖誕祭です。といってわかる方は相当な宗教オタクです。まず旧暦といっても中国の暦法なので日本の旧暦とは違いがあります。旧暦は別名太陽太陰暦で太陽と月の運行を基準として、それに季節を勘案しているので、ざっくりいうと中国と日本では緯度も経度も違うので若干の違いが生じます。日本の旧暦だと新暦8月29日で農歴でも同じですが、9月にお祭りすることもあるらしいです。
北斗星君は道教における神様のひとつで南斗星君と一対になっていて、「死」を司っており、死んだ人間の生前の行いを調べて、地獄での行き先を決定するという、日本でいう所の閻魔のような役目を持つ(wikipedia)とされています。南斗星君は生を司ります。神様に誕生日がある、というのも不思議な気がしますが、この日に聖誕祭が中華文化圏の中国大陸や台湾の一部、シンガポール、日本の中華街などで行われます。
北斗星君は道教の神様ですから、まず道教を知らねばなりません。道教は中国の伝統的な宗教で儒教と並ぶものですが、古くから漢民族の間で信仰され、儒教や仏教などとも混淆していると言われています。反対に日本の宗教にも影響を与えています。七福神の福禄寿や七夕の織姫や竜王は道教の神様です。また四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)や四霊(麒麟、鳳凰、霊亀、応竜)、九尾の狐、竜王も道教における妖怪(?)なのです。仏教でもなく神道でもないこれらの神様や動物(?)は道教由来が多いのです。無論道教だけでなくインドのヒンドゥ教の神様も入っていますが、その話はまた別の機会にします。道教を簡単に説明するのは大変でここでは深入りしませんが、漢民族の伝統や文化、宗教を知る上では重要です。共産主義革命により宗教は禁じられてはいますが、習俗としては残っています。とくに文化大革命のなかった台湾その他のアジア地域の中華文化圏では今でも広く信仰されています。
道教というと日本では映画のせいかキョンシーが有名で、漢字では殭屍と書きゾンビみたいなものです。香港映画のせいか広東語のキョンシーとして広がっていますが、中国の普通話ではジャアンシーと読むそうです。ここに映画に出てくる道士は道教の僧侶です。日本では「霊幻道士」によって広まったのですが誤解もあります。
北斗星君は老人で閻魔様同様、「地獄の沙汰も金次第」とかで、捧げ物をすると寿命を書き換えてくれたり、地獄に落ちるのを止めてくれるそうなので、身に覚えのある人は熱心に信仰するようです。やましい気持ちがなくても、普通に果物やお菓子、粽(ちまき)、お金などをお供えしてお祝いするそうです。仏教と違い肉食禁止ではないので、肉料理が供えられることもあるみたいです。地域差もありお供えも様々で検索してみると中華式の御馳走がいろいろ出てきます。

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