はりきゅうマッサージ

八月九日は語呂合わせでハリキュウの日だそうです。ちなみに鍼灸(しんきゅう)の日は4月9日で似たような日が年に2度あるのです。こちらは日本鍼灸協会が2017年の制定とか。ハリキュウの日は全日本鍼灸(しんきゅう)マッサージ師会が2003年(平成15年)に制定したのだそうですから、こちらの方が古いようです。全日本と日本になっているので、どのギョーカイにもある分断というか、別行動というか、相克があるようです。
それはともかく鍼灸は東洋では一般的な治療法で病院でも採用していますが、欧米では少しあるものも特殊医療扱いです。薬でも漢方がいまだ浸透しており、技術というより文化になっています。英語ではAcupuncture and Moxibustionといい、moxaというのは日本語のモグサが語源になっていますから、日本のお灸が欧米に伝わったのだと想像できます。今では鍼灸は代替医療とか補完という医療の補助的な役割になっていますが、それでも医療保険の対象になっていますから、正式な医療行為ということになっています。同じ針を身体に刺す行為ですが、注射は医師または医師の指示がないと他人ができないことが医師法で定められています。しかし法律的には、鍼灸の針は細いからかどうかわかりませんが、別扱いになっていて、昭和二十二年法律第二百十七号の「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」第一条に「医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。」と医師法の除外規定になっています。それでハリ師もキュウ師も国家資格になっています。この規定だと医師はどちらもできるようにも読める曖昧な法律でもあります。ハリ師もキュウ師も本来は別の資格なので鍼灸師という資格はないのですが、一般には両方施術することが多いので鍼灸と呼ばれています。似たような行為で、あんま、マッサージ、指圧、整骨、整体、エステなど日本では手軽な療法として広がっています。このうち、あん摩マツサージ指圧師は国家試験になっています。理学療法士も国家資格です。それ以外は民間資格で基本的には無資格でも施術できます。そうでないとおじいさんが孫に肩たたきしてもらうこともできません。
歴史的には生薬方を用いる医師(漢方医)と鍼灸を用いる鍼灸医は昔から分業化しており、江戸時代に幕府の政策として「按摩」を盲人の専業とし鍼灸も時を経ずして盲人の職業となりました。
盲人が鍼灸を担うというのはかなり特殊で日本の鍼灸は非常に特異的です。明治の西欧医学導入に漢方医はスムーズに西欧医に移行できたものの、鍼灸医は当時の西欧医学には対応する技法がなかったため医療職からは除外され、盲人の職業保護の名目で、慰安業として鍼灸按摩の資格と盲学校が残されました。盲人には音曲の道もあり八橋検校のような筝曲の名手や流しの三味線引きなど昔から職業保証がありました。しかし近年盲学校の減少もあって、鍼灸の担い手が減り、現在では鍼灸師や音曲師はほとんど晴眼者になっています。

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