蜂蜜・鋏・鱧

この3つの共通点は何でしょうか。簡単な謎解きで、どれも8と3がついています。ハチミツ、ハサミ、ハモとカナ書きにすればすぐわかります。8月3日はこれらの記念日です。鱧は3がついてない、というクレームをつけたくなった方は、最近のクレーマータイプになってきていると思ってください。鱧は元々、あの鋭い歯で咬みつく=はむ、が語源で、関西では今でもハミと呼ぶ地域があります。それでハとミで8と3です。納得されたでしょうか。
記念日というのは一般社団法人日本記念日協会が認定しているということなので、公式といえば公式ですが、民間資格のようなものです。日本はこういう民間資格がすごく多い国という印象をもたれる方も多いと思いますが、実は欧米の資格のほとんどが民間資格で国家資格というのはほとんどありません。これは、技能はギルドという技能団体が認定する歴史で、いわば同業者が仲間として認めるという制度から来ています。今の日本は逆で資格を取ると仲間に登録できるという制度が中心です。医師、弁護士、税理士、調理師などがそういう制度で、その免許がないと仕事ができない仕組みになっていて、これを業務独占型資格といいます。ギルド制をそのまま取り入れた制度といえますが、違いは法律によって保証されており、違反すると刑事罰に問われることです。法律という縛りがあるのが業務独占で、法律の縛りがない民間資格を名称独占と呼びます。手話通訳士などがその制度です。ややこしいのは国家試験も国が直接試験をするのではなく、外郭団体や政府認証団体が実施しているので、民間資格と区別が見えにくいことです。英検や漢検などは民間資格です。日本記念日協会もそうした民間団体の一つで政府機関ではないのです。あの有名なギネスも同じしくみです。日本人だけではないですが、こうした第三者の認定というのが好きな国も多いです。
鱧の日はハモの日本有数の産地である徳島県漁業協同組合連合会が制定し申請したそうで、鱧はとくに関西地方で夏の風物になっています。中部・関東以北で鱧を食べる習慣はありません。
蜂蜜の日は、全日本はちみつ協同組合と日本養蜂はちみつ協会が1985年(昭和60年)に制定したそうで、世界的にはエジプトの昔からある健康食品です。熊と蜂蜜の話は有名です。日本では平安時代に宮中へ献上品されたこともあるそうで、江戸時代、徳川家康の孫娘である千姫が絹などとともに数百貫の蜂蜜を持って嫁いだという話もあり、相当な貴重品であったようです。
ハサミの日は1977年(昭和52年)美容家の山野愛子が「針供養」に倣って「ハサミ供養」を提唱し、東京・芝の増上寺の境内に「ハサミ観音」(聖鋏観音)が建立されました。毎年、美容・理容・洋裁などの関係者が集まって「ハサミ供養」が行われるそうです。こうした道具を供養するというのは日本独特の習慣で、万物に神が宿っているという古来の思想が今も強く残っています。仏教でも悉有仏性といい、万物に仏がいるという教えがあります。職人が道具を大切にするのは当たり前のことですから、非科学的とか、あるいは宗教的とか、言わずに文化として残しておきたいものです。現代は神格化を否定する人が多いのですが、精神文化として大切です。

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